キックオフイベントレポート Vol.2 富山で起業を加速させる! 地方発スタートアップの成功を握る「支援の輪」とは?
地方での起業や新規事業の立ち上げにおいて、「誰と組むか」は事業の命運を分ける重要なポイントです。富山県が推進するスタートアップエコシステム「T-Startup」には、自社のリソースの提供などによる支援を行うサポーター(T-Startupサポーター)が集結しています。
T-Startup2026キックオフイベントでご登壇いただいたゲストの株式会社ファンベースカンパニーの池田氏、T-Startupプラチナサポーターの株式会社日本海ラボの高田氏、同じくT-Startupプラチナサポーターのほくほくキャピタル株式会社の田中氏による熱のこもったプレゼンテーションをレポート。

富山の未来を創る熱気。県内起業家やその挑戦を支えるサポーターたち
【ファンベースカンパニー】共感資本で地域から愛される事業をつくる
まず登壇したのは、企業のファンづくりやマーケティングに伴走する株式会社ファンベースカンパニーの池田寛人氏(取締役CFO)です。

AI時代におけるファンの重要性を語るファンベースカンパニー池田氏
AI検索時代に「ファン」が最強の武器になる理由
「AI指名検索の時代において、ファンは希望です」
池田氏は、現代のマーケティング課題を鋭く指摘します。その理由は、広告による新規顧客の獲得コストが高騰し、生活者がGoogle検索よりもAIに「自分に合ったもの」を尋ねる時代へと変化しているからです。
AIはユーザーの嗜好性を分析し、それに合った熱量の高い情報(ファンの声)を拾い上げます。つまり、単に知名度を上げるよりも、「企業やブランドの理念に共感し、応援してくれるファン」を増やすことこそが、最も確実な事業成長の土台となるのです。だからこそ、これからのスタートアップには、顧客をただの消費者として扱うのではなく、想いを共有するファンとして巻き込む戦略が不可欠です。
スタートアップ初期こそ「共創」が成功の鍵
池田氏は、Airbnbが初期に100人のホストを徹底的に満足させるプロダクトを作った事例を挙げ、スタートアップにおける「共創」の重要性を強調しました。
- 地域密着のファンづくり: 地元のスポーツスタジアム建設において、地域住民が小口で応援し、数億円の資金が集まる事例を紹介。富山発のスタートアップも、地元の人々を「一口ファン」として巻き込む世界観が作れると語りました。
- ヘビーユーザーとの対話: サントリーなどの大手企業も実践しているように、自社のサービスを最も愛してくれるユーザー数名に「何が嬉しいか」を深くヒアリングすることで、独自の価値に気づくことができます。
【日本海ラボ】地元企業と描くオープンイノベーション
続いて、T-Startupプラチナサポーターの株式会社日本海ラボの高田信一朗氏(マネージャー)が登壇しました。

地元企業とスタートアップの共創事例を語る日本海ラボの高田氏
アクセラレータープログラムの実績と協業事例
日本海ラボでは優れた技術やサービスを持つスタートアップとタッグを組む「オープンイノベーション」に取り組んでいます。
また、2023年からアクセラレータープログラムを開始し、スタートアップの技術を富山の地域課題解決に直結させることで、スタートアップと当社の双方にとって大きなメリットを生み出しています。
起業前から伴走するベンチャースタジオと大学連携
日本海ラボの支援は、すでに事業を持つ企業にとどまりません。東京都協定事業のベンチャースタジオ「STUDIO 10X」にパートナーとして参画し、起業前から実証フィールドを提供するなど、初期段階の起業家を手厚くサポートしています。さらに、富山市内のコワーキングスペース「HATCH」の運営や、富山県立大学における若手教員と企業の共同研究マッチングなど、産学官連携のハブとしての役割も担っており、富山での起業を物理的・ネットワーク的の両面から支えています。
【ほくほくキャピタル】 地銀ネットワークを活かした資金調達と販路開拓
最後に登壇したのは、T-Startupプラチナサポーターの北陸銀行、ほくほくキャピタル株式会社の田中裕仁氏(マネージャー)です。

「資金調達」や「販路開拓」について語るほくほくキャピタルの田中氏
累計30億円のファンドと圧倒的な事業支援
ほくほくキャピタルは、2022年の1号ファンド設立から4年弱で23社(うち北陸・北海道4社)に出資を実行し、2026年には20億円の2号ファンドを立ち上げ、累計30億円の投資枠を確保しています。融資だけでなく「エクイティ出資」という形でリスクを共にし、スタートアップの成長を根本から支える姿勢が強みです。
取引先基盤を活用したエコシステム
最大の武器は、国内13都道府県に広がる取引先ネットワークです。スタートアップの優れたソリューションを、課題を抱える地元企業へと繋ぐことで、スタートアップの売上拡大と地元企業のDX・課題解決を同時に実現します。また、Relicなどと連携したオープンイノベーションプログラムを展開するほか、富山大学ファンド「T-CAF」への出資や、TeSHでの事業化推進機関としての事業化支援など、大学の高度な研究をビジネスへと昇華させる取り組みにも注力しています。
最後のレポートでは、上記の3名に株式会社Relicの金子・中登が加わり、多角的な視点で「T-Startupへの期待」について、特に、富山から新たなビジネスを生み出そうとする学生や起業家に向けて、支援チームが提供する圧倒的なリソースと共創の可能性を紐解きます。
「次はあなたが、出すぎた杭になる番です。」
富山県で起業を目指している方、自社の技術で急成長を狙うスタートアップの方は、ぜひ「T-Startup」の取り組みをチェックしてみてください。
今後のイベント情報や支援プログラムの詳細は、T-Startup公式ウェブサイトで随時発信しています。
👉第5回とやまエコシステムサミットのご案内:
・日時:2026年9月30日(水)15:00~17:30
・定員:200名 申込締切:2026年9月28日(月)17時
・参加費:無料
申し込みはこちら:https://forms.gle/bYWkbmkZHiGBJUtG7
👉T-Startupサポーター企業の募集:https://t-startup.jp/supporters/